自主トレーニング
Training
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運動のススメ
筋肉を動かすことで様々なホルモン様物質がでます。うつを吹き飛ばしてくれるセロトニンもでます。代謝が良くなり血糖が下がります。認知症の予防効果もあります。体が疲れれば当然入眠しやすくなりますので不眠症にも効果があります。間違った運動方法や運動量では膝痛や腰痛を悪化させますのでいつでも相談してください。
誰でもできる運動療法
「歩くことは人間にとって最良の薬である」という名医ヒポクラテスの金言があります。歩くだけで体に良い効果がたくさんあるのです。歩く時の大事なポイントは姿勢です。最初に心掛けるべきことはまず腰を高く保つことです。足の使い方や姿勢などいろいろ指摘したいことはありますがまずはともかく腰を高く保持することにつきます。これを心がけることで結果的に背筋が伸びます。次に手を肩から大きく振ります。背筋が伸びているので自動的に腰が回転します。理想的なフォームに近いです。なお普通歩行でも速足歩行でも30分歩行で消費カロリーは50~70キロカロリーです。ご飯一杯分も消費できません。しかし全身の代謝循環の改善効果、筋肉のストレッチ効果により体の調整効果が得られます。生活習慣病だけでなく様々な疾患に効果があるのです。軽い鬱であれば運動療法だけで脱出できる場合があります。 散歩の前後で筋肉ストレッチや筋肉トレーニングをとりいれれば生活満足度を下げている肩こりや腰痛、膝痛が解消される場合もあります。基本的なストレッチとトレーニングを動画にしてみましたのでご参照ください。これで体を動かす爽快感を実感できたら次はジムに通いましょう(コロナが終わってからですが)。
糖尿病の方へ
運動することで筋肉奥底に沈殿していたレセプター(GLUT4)が筋肉表面に浮き上がってきます。レセプターは血中の糖を捕まえてどんどん筋肉に運び入れ血糖を下げてくれます。しかもこの効果は数日持続します。
誰でもできる食事療法
腹八分目を基本とし、就寝2時間前からカロリー摂取を避けます。就眠中、腸も休ませるためです。人によっては断食療法が効果を挙げることがあります。ご希望の方はご相談ください。
糖尿病の方へ
食事からの摂取エネルギーを多くとりすぎると血糖値が上がります。摂取エネルギーが適当でも食品の種類選択によっては血糖値が上がります。食品交換表をみながらカロリー計算はめんどうです。だいたい何でも1個、1パックが80キロカロリーと考えましょう。ただしごはんやパンは半分で80キロカロリーです。携帯電話かパソコンでカロリー換算アプリを使ってみてはいかがですか?だいたいカロリーがわかったら応用編です。お茶碗一杯(100g)のごはんは168キロカロリー。これを豆腐に置き換えればカロリーは約半分におさえられます。数年前から注目されている低糖食もやりすぎなければ有効です。しかしどうせならGI(グリセミック指数)に注目しましょう。GIとは食品に含まれる食品の吸収度合いを示すものです。カロリーが高くても血糖上昇が少ないものがある、同じ炭水化物を含む食品でも血糖上昇の程度に差があるということです。同量の糖質を含む大豆菓子とブドウ糖菓子を摂取すると血糖値の差は最大で50mg/dlでます。低GI食品は大麦、大豆、ニンジン、グレープフルーツ、プラム。高GI食品はモチ米、白パン、マッシュポテトなどです。詳しくは食品GI表をご覧ください。またセカンドミール効果もぜひ知っておいてください。最初にとる食事(ファーストミール)は次にとる食事(セカンドミール)後の血糖に影響を与えます。ファーストミールに大豆菓子を食べた群、米菓子を食べた群、絶食群に分け、その後同じセカンドミールを摂取すると食後血糖最低なのは大豆菓子群。後者の2群に差はでません。ですから最初にとる食事は米よりは大豆系がお勧めです。
≫ 大塚製薬 GIについて学ぼう
脂質異常症の方へ
食事からの摂取エネルギーを多くとりすぎると肝臓でコレステロール合成が促進されます。飲酒をすると肝臓がアルコール分解に注力するため中性脂肪が上昇します。油を控えたバランスよい食事を目指します。脂肪摂取量は1日摂取カロリーの20%程度を目標にします。飽和脂肪酸(動物性脂肪)を少なくし植物性、魚肉性脂肪を選びます。オリーブオイルやキャノーラ油はLDLコレステロール低下作用があります。アマニオイルもLDLコレステロールを下げ、必須脂肪酸も含むのでより好ましいのですが酸化しやすく、熱を加えるとその効果はなくなるので注意が必要です。抗酸化作用のあるビタミン(C,E,B6,B12,葉酸)やポリフェノールの多い野菜や果物を摂取しましょう。
・大豆製品(イソフラボンがLDLを下げます):納豆1P、豆乳コップ1杯、豆腐1/3
・魚(ω3脂肪酸のDHAやEPAを含みLDLや中性脂肪を下げます):80g
・良質の油(大豆油、ごま油、ひまわり油はLDLもHDLも下げるのでお勧めしません):大匙2杯
・緑黄色野菜や海藻、きのこ(豊富な食物繊維がコレステロール吸収を抑制します。ビタミンやポリフェノールがLDLの酸化を抑制します)
高血圧の方へ
1日当たり食塩摂取6g以下に減塩する。塩分量はスマホアプリで簡単に計可能。
(無料アプリならFincをおススメします)
魚を摂取する(中でもホンマグロ・マイワシ・ブリ・サバ・サンマなどの青魚はEPAが豊富で動脈硬化予防効果を期待できます)
高尿酸血症の方へ
尿酸はプリン体の代謝物です。プリン体を多く含む食品を控えましょう。 ただし尿酸自体は抗酸化作用をもつため完全な悪者ではありません。プリン体の8割は体内で生産され、2割のみ食品から作られます。
心の弱った方へ
ベジタリアンは非ベジタリアンよりうつ病になるリスクが高いです。肉を食べましょう。幸せホルモンと呼ばれるセロトニンはトリプトファンとビタミンで作られます。トリプトファンが多く含まれる大豆製品や乳製品、豚ひれ肉や鶏ささみを食べましょう。豚ひれ肉や鶏ささみはビタミンB6が多く含まれトリプトファンに変化しやすくお勧めです。神明にお住まいなら高見牧場の赤身肉もいいですよ!
認知症を防ぐ食事
認知症は脳の老化です。外見が年老いていくのと並行して体の中身も年老いていくのは避けようがありません。見た目が実年齢より若く見える人は会話内容も若々しいな、会話の反応時間も短いな、、と思ったことはありませんか?私は外見が若い人(単なる若作りでなく、肌が若い、筋肉がしっかりついてる人など)は認知症になりにくいのではないかと思っています。逆もしかりで仕事や趣味に没頭して頭がフル回転している人は肌もつやつやして若く見える人が多いと思っています。長い人生で適切な食事と適当な運動、心体のメンテナンスを続ける人はそうでない人よりも外見も中身もいい状態を保てる可能性が高いでしょう。結果、認知症の予防・治療になりうるというリコード法には一理あると思います。リコード法に推奨されている食事を下記にあげます。これだけで全てが解決するわけはありませんが古今東西、食養生は医療の基本であることは明白ですから未来の外見および中身の若さ(抗老化)獲得のため飽食の時代の今こそ食事内容に気を配りましょう。最初に抑えるべきポイントはビタミンB群欠乏に注意すること、インスリン抵抗性もしくは糖毒性に注意することです。
・ブロッコリーやカリフラワーなどアブラナ科野菜と葉物野菜
・きのこ
・天然ものの魚。特にSMASH(サケ、サバ、カタクチイワシ、イワシ、ニシン)
・平飼いの卵
・玉ねぎ、にんにくなどの硫黄含有野菜
・サツマイモ・未熟な青バナナなどの難消化性でんぷん質
・キムチ、納豆、乳酸菌ヨーグルト、もろみなどのプレバイオティック製品
・緑茶、紅茶
・パン、パスタ、米、クッキー、キャンディー、ソーダを含む砂糖と単純炭水化物類
・グルテン
・加工食品
・マグロなど水銀汚染度が高い魚
・パイナップルなどGIが高い食品
※パンや米は私たちの主食ですから避けすぎにはくれぐれもご注意ください。別の病気を呼びます。
ご興味ある方はリコード法(デール・プレデセン)を調べてみてくださいね。
誰でもできる
認知症の精神療法
認知症患者のご家族様へ
孤独と自信の喪失は認知症を進行させます。それを癒せるのは人やペットです。とにかく話しかけましょう。思い出話をする回想法をお勧めします。認知症の種類によりますが記憶障害は最近の記憶から起こり古い記憶は無事のことも多いです。苦楽を尽くした青年期や壮年期の思い出を引き出し語らせてさしあげましょう。何もなくてもかまいませんが昔の写真や音楽、なじみ深い家庭用品があるといいきっかけになり取り組みやすいです。質問を挟みながら受容的態度で聞きます。認知症患者さんは思い出話の中で自分を再認識し、時間の流れを実感しこれまでの歴史に自信を取り戻します。なお最近の思い出話の場合は覚えていないことも多く不安になり自信を失わせてしまうことがあるので気を付けましょう。その場合は本人の記憶の抜けを補完する相槌をうったり、話題を変えるなどして対応し本人の不安が高まらないように気をくばりましょう。
また日常生活場面で「認知症だから。。」と保護的に対応したり、いい加減にあしらうような態度は望ましくありません。むしろ草木の水やりや玄関掃除などの簡単な役割を与えしっかり感謝を伝えたり、丁寧に応対するほうが望ましいです。それも認知症患者さんの自信と誇りをくすぐるので立派な精神療法です。一人の人間として敬意を払い丁寧に対応することはユーマニチュードの思想にもつながります。
≫ もの忘れ・認知症相談外来へ
認知症を心配されている方へ
認知症予防に関与する9因子が発見されています。(下記参照)
これに基づき、認知症を避けるために下記の9因子を治療することが重要です。(喫煙の場合は禁煙)
認知症になりやすい9つの危険因子
危険因子 | 相対リスク |
---|---|
中年期(45歳以上65歳以下) | |
高血圧 | 1.6 倍 |
肥満 | 1.6 倍 |
聴力低下 | 1.9 倍 |
高年期(65歳超) | |
喫煙 | 1.6 倍 |
抑うつ | 1.9 倍 |
運動不足 | 1.4 倍 |
社会的孤立 | 1.6 倍 |
糖尿病 | 1.5 倍 |
*その危険因子を持つ人が危険因子を持たない人に比べて認知症になりやすい倍率
予防可能な認知症危険因子の寄与
それぞれの危険因子の「人口寄与割合」を合計すると、9つの危険因子の全てを排除できた場合、認知症患者は最大で35%減らせる可能性があります。 その中でも運動はそれ自体が認知症のリスクを下げるだけでなく抗うつ作用や体重減少、血圧低下、血糖低下を期待できることから積極的に取り組むようおすすめします。 いきなり運動は無理と思われるかたはまずラジオ体操や簡単なストレッチ(柔軟体操)から始めてみてください。 テレビやラジオでもいろいろやっているのでそれを参考にすべきところですが開業にあたり簡単なストレッチ動画を作りましたのでご参考までにご覧ください。無理のない範囲で自分流にアレンジも可能なのが体操の面白いところです。いきなり負担をかけないように留意してゆっくりと、そして転倒に気を付けて取り組んでください。
誰でもできる音楽療法
音楽を聞いたり演奏したりする際の生理的・心理的・社会的な効果を応用して、心身の健康の回復、向上をはかる事を目的とする、健康法ないし補完医療です。効果には個人差がありますが優れた効果をあげる場合があります。 私のお勧めの曲目を下記に挙げてみますが感じ方は人それぞれですのでご自分でもいろいろ探してみて下さいね。
ひどく疲れている時
・チャイコフスキー「序曲1812年」(→試合で負けそうな時、私はこれを思い出してみる)、
「交響曲6番」
・ベートーベン「交響曲」
・マーラー「交響曲5番アダージェット」「交響曲10番」
・ラフマニノフ「ピアノ協奏曲ハ単調」
・ショパン「ピアノ曲」
・日本民謡
心がささくれだって眠れない時
・ジョアン・ジルベルト「バサノバ・シガ」
・サティ「ジムノペディNo2」
・ヴァンゲリス「メモリーズ・オブ・グリーン」
死を身近に感じるとき
めずらしく明るい気分
・ドビッシュー「前奏曲集」
しんみりした気分
「主よ、人の望みよ喜びよ」(→ヴイルヘルム・ケンプのピアノがおすすめ)